猫のため息

カテゴリー:KBほっと通信

昔飼っていた猫は、18年と
かなり長生きをしました。

それほど生きていれば、人間と同様
しだいに体力が衰えていく過程を
自分自身で実感していくのだろうな、
という出来事がありました。

いつも押し入れの真ん中の板の部分に
ヒラリ軽やかに飛び乗っていたのですが、

ある日、いつもと同じように飛び上がったのに
ジャンプが不十分で、板に乗りきれず
滑り落ちてしまったのです。

もちろん高いところに上がろうとして失敗すること、
それまでもありました。

そこは
“自分にとって少しハードルが高く、
何度かチャレンジして
最後には飛び乗ることに成功する”
という、ちょっとした難所。

でも今日飛び乗ろうとしたところは
いつも当然のごとく簡単に上がれていたところ。
それなのに失敗してしまった・・・!!

その時、
今まで聞いたこともないような
「フーーッッ」という大きなため息を一つして、
静かにその場を立ち去ったのです。

それ以来、多少なりともジャンプが必要な
高いところに上がることは
一切なくなりました。

猫なりに体力の限界を感じ、
自分に折り合いをつけたのかな、と
今でもあのため息が耳に残っています。

  【し】

笠井 利昭

部門/役職

会長

コメント

技術の最先端を求めて!社名を考えました。お客様や同業者からも称賛される会社を夢見ています、現在まだまだですけれど・・・。