むずかしい日本語

カテゴリー:@kb通信

「お休みいただいています」
どこかの会社に電話をかけて、担当者を呼んでもらおうとしたとき、相手が 「○○は今週お休みいただいてるんです」などと答えてくれることがある。

そこはとても礼儀正しい会社だというのはまちがいないし、その人が表現したいのは 「社外の皆々様に融通いただき、お休みをとらせていただいている」という、とってもへりくだった謙譲の意味なんだろうな、と思うけど聞き方によっては、 ○○さんの方が、かけているこっちより目上、のような言い方にも聞こえる。

それはまた、「おやすみ」の発音によって、なおさら左右されるような・・・。大阪弁のように、「おや」が平坦、「す」が高く、「み」で低く完結する発音だと、「おやすみ」というのが「名詞」だということがはっきりし、「お休み」「を」「いただく」という謙譲の意味がわかりやすいが、標準語のように、「おやすみ」4文字とも平坦な発音で「いただいて・・」に続いてしまうと、「お休みいただく(休んでいただく)」という、 ○○さんに対する尊敬語のように聞こえてしまう。

相手のこんなひとことで、仕事のことなどそっちのけ、日本語の迷宮に足を踏み入れてしまう私って「超ちまちま人間」だな、と思うし、第一、私自身の電話での口の聞き方だってたいがいナサケないんだけどね。日頃むっとしてる方がいらっしゃったらゴメンナサイ。
ほんと、敬語ってむずかしいっ。

 

「きわまるVSきわまりない」
「・・・きわまる」と「・・・きわまりない」って、不思議な日本語だと思いませんか?

「全く、不謹慎きわまる!」と言おうが 「全く、不謹慎きわまりない!」と言おうが伝わる意味としてはほとんど同じですよね。あえて言うなら、 「きわまる」は限界だけど、「きわまりない」は「限度がない、無限大」なんだから、やっぱり「きわまりない」の方が上?

きわまるときわまりないは、「ある」と「ない」なんだから本来、まったく逆の意味であるはずなのに 使うときには似通った意味になる、というのはとっても不思議。

 

「あとVSさき」
また不思議な日本語みっけ!
「あと」と「さき」って、これだけ取り出して比べると正反対の言葉ですよね。なのに、文の中に出てくると、似たような意味として使われることがあるからややこしい。
「これからあと」→今後。「これから先」→未来・・・う~~・・・どないやねん!!って感じ。

こんなこと思ったのも、社内でこういうやり取りがあったからなのです。
2つのものの順序を二人で話しているときに
「こっちは先になるわけやろ」
「そっちが先よ」
「そやからこっちはずっと先やろ」
「さっきこっちの方を先って言ったやん」
「そうやー、そやからこっちはあとやねん」
「そやろー、だからそう言ってるやん」
・・・・みたいなね。やれやれ。

(例文)
縁側に座ったじいさんが、 「これからあとのこたぁわからんさ・・・」と力なくつぶやいた。
縁側に座ったじいさんが 「これから先のこたぁわからんさ・・・」と力なくつぶやいた。

ああ、せつなすぎる。
なぜここでじいさんなのか。 それは、ばあさんは元気はつらつだからです、きっと。
おとーちゃんに先立たれても、たくましく立ち直るのです。
これって逆セクハラなのかな。 おじいさん達(そして将来のおじいさん達)、ごめんなさい。

笠井 利昭

部門/役職

会長

コメント

技術の最先端を求めて!社名を考えました。お客様や同業者からも称賛される会社を夢見ています、現在まだまだですけれど・・・。