トヨタ・プリウスインバータ故障診断・交換作業

カテゴリー:整備日誌

【車両データ】

 車種:トヨタ プリウス S
 年式:平成21年11月
 型式:DAA-ZVW30
 車台番号:ZVW30-1119391
 エンジン型式:2ZR‐3JM
 走行距離:94,751km

 

【作業メカニック】笹村 紀一郎

 

<故障内容>
 中国道を走行中ギクシャクしてエンジン停止、その後走行不能。

<現象確認>
 一瞬しかレディオンにならず、ハイブリッドシステムエラー表示、エンジン警告灯表示、
 マスターウォーニングランプ点灯。これらのことよりハイブリッド系統に不具合があると考えられた。

<テスター診断(Gスキャン)>
 P0A1A (モーターECU系統No2異常)
 詳細コード151 ランパルス異常 or モータージェネレータECU内部異常
 P324E (FrモーターECU系統異常)

 P0A1A‐151
  項目:モーターECU系統No2
  DTC検出条件:インバータ内モータージェネレータECU内部異常
  点検部位:インバータAssy

<診断手順>
  エラーコード消去しても同DTC出力の場合エラーコードの種類の確認、
  P0A1A‐151およびP324Eのみの出力→インバータAssyの点検
  インバータの品番確認→この車両はG9200‐47140
  この品番からモータージェネレーターコントロールコンピュータAssy、インバータカレントセンサAssy
  およびインバータワイヤAssyの交換となる。
  ※上記部品は、パワーコントロールユニット内蔵部品で非分解であるため、修理作業内容は
   パワーコントロールユニットAssyの交換となる。

 

<実作業>

①パワーコントロールユニットの取り外し

 

車両左側、HVモータ上部にあるパワーコントロールユニットを取り外します。

 

②新品組み付け後の動作検証

 

一番左画像は、左:取り外したインバータ、右:新品です。新品交換後、DTC出力なし、ハイブリッドシステムエラー表示なし、エンジン警告灯表示なし、マスターウォーニングランプ点灯なしを確認。
試運転結果も良好でした。

 

③故障したインバータの分解検証1

  

左:インバータケース
中:モータージェネレータコントロールコンピュータ
右:インバータワイヤとインバータカレントセンサ(電流センサ)

 

④故障したインバータの分解検証2

    

左:モータジェネレータコントロールコンピュータ
中:パワーモジュールインテリジェントトランジスタキット
右:HVコンバーター

 

【検証結果から】
今回の故障原因はパワーコントロールユニット内インバータ系統となるインバータワイヤには、接続不良、サビ、破損などは見当たらないためインバータカレントセンサ、もしくはモータージェネレーターECUに不具合があったと考えられます。

 

笠井 利昭

部門/役職

会長

コメント

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