>>>三度笠のカサ、井戸のイ PART7 「親友の存在」
人は一人では生きていけません。どんなに強い人も必ず弱点がどこかにあります。私も、決して強い方ではありません。むしろ、弱い人間だと思っています。さびしがり屋で、気が弱く、心配性で、劣等感いっぱい…子供の頃から加藤諦三の「生きる」を愛読し、“弱い自分”を、一生懸命“頭の中の理想の自分”がひっぱっていくというタイプでした。
こんな男が事業を始め、夢があるとはいえ、不安盛り沢山のいばら道を進んでいくのです。当然、精神的に苦しい日々が続きました。明日の仕事を心配し、すでにお客様に納めた車を心配し…今でいうと、うつ病になる寸前だったと思います。
ですが、私は幸運でした。ある男の存在が私を精神的苦痛からいつも救ってくれました。それが、親友の近藤 理(おさめ)という男です。“おさめ”は徳島の高校時代からの友人で、今は小学校の校長先生をしています。
学生時代は私と同じくらいの成績で、決してできる方ではなかったのですが、運動の方は目覚ましい活躍を見せていました。軟式テニスでは、県下1、2の存在で、後の大学時代には学生日本代表にまでなったツワモノでした。
私とはなぜか気が合い、高校を卒業してからも、今の今までずっとつき合いが続いているのです。

私が徳島を離れ、もう40年になります。この間毎年、正月、GW、盆休みには、必ず田舎に帰っています。もう実家には、父も母もいません。それでもいまだに空き家状態のボロ家に帰っているのは、彼と一緒に休みを過ごしたいと思うからなのです。毎年“おさめ”を中心とした高校時代の同級生と遊ぶのを楽しみに帰っております。
若い頃、私が帰る時には、彼も全ての予定をキャンセルし、一緒に野や山をかけめぐりました。‘たまに帰った息子と一緒に酒でも飲もう’と、料理を沢山準備して待ち構えている父にも、「お前ら、鉄砲玉か!?」(←飛び出したらいつ帰ってくるかわからない奴という意味)、とよく叱られました。


とりたてて話しをするでもなく、じっと無言でいることもある。それだけでいい。ただ、彼と一緒にいるだけで楽しかったのです。


私が大阪から帰った直後、疲れて実家で眠りこけていると、彼はやってきて、静かに、私に気づかれることなく、私が起きるまで、彼も隣の部屋でひと眠り…。なんでもないことですが、こうしたさりげない彼の優しさに、とても嬉しい気持ちになります。








もう、20年以上前、彼が中学校の教員をしていた頃、夏休みに彼の学校の近くのスポーツ用品店に2人で立ち寄った時のこと、そこの店主が、いきなり私に言うのです。
「おまはんでか? 盆と正月に、この近藤先生を引っ張りまわしとる悪友は!」
「この先生はなぁ、いつもはごっついええ先生でよ。
父兄も『子供は近藤先生の言うことだったら皆聞くし、クラブ活動の面倒見もごっついええし…。ほらけんどなぁ、盆と正月になったら行方不明になるのが欠点じゃ…』
と言うとんじゃけんど、おまはんでっかー!?」(おまはん:お前、君の意味)
この店主の親しみの込もった言葉はずっと覚えています。私は彼との関係を心地よく思っていますし、彼は私の自慢のタネなのです。

私が行き詰りそうな時、仕事の問題で煮詰まっている時、なぜか不思議と“おさめ”から電話がかかってきます。電話が鳴ったとたん、「おさめかなぁ…」と予感がするのです。

その電話の内容はというと、
「何しよるか? 元気か? いやー何も用事はないんやけど……ほなまた」とこんな感じ。
私にとってはこれで十分なのです。これでスイッチが入り、エンジン全開で働き出すことができる。妻も、私の元気のない顔を見ると、「先生に電話したら?」とすっかりアテにしています。
私が事業を始めた頃、彼が言ってくれた言葉を忘れません。
「金に困った時はいつでも言ってこい。俺が出来る限りのことをするから」
嬉しかった、どれほどの支えになったか計り知れません。もちろん、彼が困った時には、私はどんなことでもする気でいます。ですが、私はどんなに困っても彼だけには言わないと思います。それは、彼が私の親友であると同時に、私のライバルでもあるから…。彼も同じ気持ちかもしれません。

彼の前では、いつも元気でいたい。いつもいい所を見せていたい。これからも精一杯見栄を張っていくつもりです。
<KB通信35号掲載(2007年7月) >
三度笠のカサ、井戸のイ
エッセイほいさっさ
ほのぼの劇場


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